旅行3日目 3月24日(別府→長者原→登山→坊がつる&法華院温泉)

4時頃に起床

おそらく旅行期間中も早起きをし続けるのだろうなと思いながらも身支度をし始める。朝ごはんは前日の夕飯と同様でシーチキンと、ビーンズの缶詰を入れたカレーとアルファだ。少しでも登山の負担を減らすために重たい食料を先に平らげておきたいからだ。

旅3日目の朝食

少し早めに朝食を終えて時間が余っていたので前日までの洗濯物をゲストハウスにある洗濯機へ投入。洗濯機まで無料で使えるのはとてもありがたいことだ。洗濯をしながらも残りのパッキングを行う。それにしても荷物多いな。これを担いで山を登るのか。まぁ山登りはこういうものだ。(と自分に言い聞かせる。)

さらに時間が余っていたので朝風呂にも入る。今回のゲストハウスは昔の温泉宿を改装されているような感じで、温泉がゲストハウスながらあるのだ。とてもいい湯で無料で本当に良いのかと申し訳なくなる。

宿泊地の風呂が温泉!


洗濯物を取り出して完全にパッキングを終えて宿を出る。突然予約したにも関わらず親切に対応していただき本当にありがとうございました。また泊まりにきます。

談話室もあるので今度来たときはここでのんびり誰かとおしゃべりをしたい

いよいよ夢の坊がつるへ

宿を出てバス停へ向かう。

「九州横断バス」という名前のバスが一日2本ほど別府↔熊本を行き来しているのだ。

自分は始発である8時のバスに乗り、長者原登山口から入山する予定なのだ。バス停へ着くが誰も登山客がいない。シーズンではないから当然といえば当然だ。これはバスも空いていてのんびりできるぞと考える。登山とは関係のなさそうな大学生旅行団体グループがぞろぞろとバス停に集まってくる。これから熊本へ移動するのだろう。バス出発5分前に登山者と思われる方もバス停へ並ばれた。東南アジア系の方で海外から山登りへ来られたのだろう。この方も長者原から登られるのだろうか。同じ登山道であれば一緒に山道を歩くことになるのでとても安心だ。

そうこうしているうちにバスがバス停に入ってくる。よし!今からいよいよ夢の坊がつるへ行くのだ!
別府からバスで登山口までは2時間ほどだ。時間があるのでのんびりと寝ようと思ったが眠ることができない。バスの運転がとてつもなく荒いのだ。そうだ、ここは九州だった。九州って荒いバスが多いのだということを改めて思い出し実感した。

バスは別府市内をありえない速さで通り過ぎ、気がつけばやまなみハイウェイ(大分県由布市水分峠と熊本県阿蘇市一の宮町を結ぶ絶景が見える道として有名)に入っていた。バスの窓から美しい山容が見えてくる。

あれは由布岳だ。去年登った山だがいつみても美しい形をしているな。そんなことを思いながらよくよく山頂を見てみると真っ白だ。ここで私の思考が一瞬停止した。え?山頂が真っ白。煙?いや、これはあれだ、雪だ。雪が積もっているのだ。3月末にして九州の山に雪が積もっているのだ。こんなレアなことはない。おそらく前日の大雨が標高の高いところでは雪となって降っていたのだろう。んん?ちょっと待てよ。由布岳(1,583m)で雪が積もっているということは由布岳よりも200mほど標高の高いくじゅう連山(最高峰は中岳で1,791m)は完全に大雪なのでは??

バス車内からの景色

完全にやらかした。ある程度のことは想定し、簡易的な雪山装備を持ってきてはいたが、完全な冬山装備を持ってきていないのだ。この状態では山へ登ることができないな。どうしよう。まいったまいった。そうこう考えていると僕の前に座っているバス停で並んでおられた東南アジア系の方も同じようにあたふたされている様子。登山者2人完全に焦っている。どうしようか。バスは由布院駅に到着した。あと1時間で登山口へ到着するのか。なんとか策を考えなければ。

なんとなく登山口をgoogleマップで開きみはじめる。登山口そばに登山道具のお店がないかを確認するのだ。もしお店があればその場で雪山装備の道具を購入して入山しようということだ。調べてみたところモンベルショップが登山口前に構えているようだ。助かった。これほどモンベルショップがあってよかったと思ったことはこれまでないかもしれない。ここでアイゼンを購入して入山しよう!

長者原登山口 到着

無事、長者原登山口へ到着だ。東南アジアの方から来られている方も同様のバス停で下車しておられた。この方どうするんだろう。ということを考えながらも早速mont-bellショップへ向かう。店内に入るととても親切そうな山好きそうなおじさんが迎えてくれた。

店員のおじさん「いらっしゃいませ!なにかお探しでしょうか?」
小島「まさかこの時期に雪が積もっているという予想外なことで少し驚いてまして…チェーンスパイクを買いたいのですが置いてますか?」
店員のおじさん「あーチェーンスパイク最近人気で売り切れて置いてないんですよ。すみません」
小島「え、嘘だろ。どうしよう(心の声)。あのーこの時期の九州の山にアイゼンを担いで登るのは少し違いますよねぇ?チェーンスパイクの代用となる商品ってありますか?」
店員のおじさん
「そうですねぇ。代用としてはこの簡易アイゼンはいかがでしょうか?本格的な雪山用ではありませんがくじゅう連山レベルであれば十分事足りると思いますよ。」
小島「別府からバスに乗って来たのですが途中で見た由布岳が真っ白で驚きました。昨日の雨の影響でしょうかね(苦笑い)。そのアイゼン。良いですね。それ買います」

そのようなお話をしているとバスで一緒だった東南アジア系の方も店内に入ってこられ私と同じことを考えておられたらしく、別の店員さんに「アイゼンはありますか?」と聞いておられた。結局その方も自分が購入しようとしていた同じ軽アイゼンを購入されることになった。

東南アジア系の方に話しかけてみる
小島「バスから由布岳みて真っ白で驚きましたよね。どちらの国から来られたのですか」
東南アジア系の方「そうですよね。由布岳みて驚きました。私はインド出身で日本に10年以上住んでいますよ。(流暢な日本語)」
小島「そうなんですか。いやーまいりましたよね。」

そのような会話をしながら仲良く同じ軽アイゼンを購入した。店員のおじさんに付け方を教えてもらう。
店員のおじさん「それほど難しくないですよ。慣れれば簡単に装着することができるかと思います」
説明を聞いて自分の靴にガッチリと装着させることができた。流暢に話す東南アジア系の方も装着できた様子だ。

小島「これで安心だな。」
2人揃って安心した顔になる。

ついでに店員さんに今のくじゅう連山の様子についても色々お聞きした。
店員のおじさん「朝方は坊がつるはマイナスまでは冷え込むと思いますから寒さ対策をしっかりとしてくださいね。」とのことだ。

まぁこれは事前に調べていた情報とおりだ。店員さんにお礼を言って東南アジア系の方と一緒に店をでる。

店内でアイゼンの装着を試している間色々お話をしたのだが偶然僕と同様の登山計画で今日坊がつる入りして一泊。明日下山する予定とのこと。
これは偶然だ。その方はこれから詳細な登山計画を組んでから入山するとのこと。自分は前日に作成していたので一足先に入山することに。

東南アジア系の方「自分は少し計画をねってから入山します。坊がつるでまたお会いしましょう。お気をつけて!」
小島「分かりました。それでは一足先に行っていますので坊がつるで! お気をつけて!」

一旦東南アジア系の方と別れて自分は一足先に入山する。

登山届を提出

登山口で登山届を提出する。前日に下書きをしておいたのでそれを清書するだけだ。経路を詳細に記入し書き漏れがないかを確認して提出。

長者原からタデ原湿原を歩く

さっそく入山だ。心がウキウキしているのが自分でもわかる。完全にはしゃいでいるようだ。
大分の長者原から入山する楽しさ、メリットはなんと言っても湿原を歩くことができるということ。私が歩いている季節は冬から春になる時期なので今はなにもないが、夏に見る湿原は一面緑で非常に美しいだろう。このようなことを考えながら一人歩く。花粉も飛んでいるようには見えない。今日は最高のコンディションかもしれない。途中でアイゼンを購入する必要があったけどもまぁなんとか解決した。
遠くの山を見渡す。右側の山が真っ白だ。地図で確認したところあれは星生山だ。星生山へは2年前に登頂済みだ。大分県九重町の最高峰として有名だ。

いざ、出発!

くじゅう連山といえば5月にはミヤマキリシマが咲き乱れ一面がピンクに染まる。そして夏には緑へと美しく山容を変える。秋は、紅葉により真っ赤に染まる。くじゅう連山は1年を通して楽しめる山だ。

自分は11月の紅葉の時期に星生山へ登頂した。登山口までは晴天。山に登るにつれて雲行きが怪しくなり大雨となり撤退した嫌な思い出でもある。

さすが九重町最高峰の星生山だ。星生山が雪を受け止めて他の山には雪が降り積もらなかったのだろうか。このようなことを考えながら湿原をひたすら歩く。しばらくは標高が低いので雪はなくとても歩きやすい道だ。
登り始めて少しずつ傾斜がきつくなる。今回のザックの重さは大体25kgほどだ。肩にザックの重さがのしかかる。
登り始めて1時間。少し休憩しよう。ビタミンゼリーを飲みながらのんびりとそばのベンチに腰掛ける。やはり歩くことを止めると寒い。「あー本当に自分は九州の坊がつるへ歩いているんだ。本でしか見たことがない憧れの場所。一体どのような場所なんだろう。
そのようなことを考えながら休憩を終えてさらに歩きだす。休憩してから少し歩くと雪が積もっている登山道が見え始めた。そろそろアイゼンをつけるべきだろうか。でもそれほど滑るような気配はない。アイゼンを装着せずにどんどん進む。しばらく歩くと岩場にでる。岩を越え、川を越え、歩き続ける。

まさか九州で雪が降っていたとは

雪の量も次第に増えてきた。そばを見ていると誰かが転んだ跡があった。あ、だれかがここで転んだんだな。気をつけて歩かなければ。こういう時雪があると状況がよく分かるので嬉しい。特に雪道の場合は誰かが歩けば足跡が残るので基本的に次に歩く人は道に迷わずにすむ。前に歩いた人の足跡をトレースすればいいだけなのだから。(こんなことを言っているけども以前、前に歩いた人が道に迷っていたらしく何も考えずに足跡をトレースしていたおかげで自分も道に迷い始めたことがあるので皆さんもお気をつけて)
しばらくすると開けた場所に出る。おそらくここは雨ヶ池だろうとYAMAPを立ち上げて確認する。だうやら合っていたらしい。
この場所は雨が降ると池になるらしい。だから雨ヶ池というらしい。うん、つまりあれだ”雨”が”池”となるので”雨ヶ池”になるのだ。雨ヶ池は池になっても歩けるように歩行道が少し高い位置に設置してあるのだが、これが雪の影響でよく滑るのだ。雨ヶ池を過ぎて少し広い場所にでると、登山口で出会った東南アジア系の方とバッタリ出会う。おそらく最初の湿原でのんびりと写真を撮っていたから先に行かれていたのだろう。それで僕が追いついてきたという感じなのだろうか。
小島「もうここまで来られてたんですね。結構速いペースですね。」
東南アジア系の方「あ、登山口で出会った方ですね。とてもいい天気で気分が良くて今休憩していたところです。さっき見つけたんですけどこれ見て下さい。少しグロテスクかもしれませんが鹿の死体を発見しました。きれいに骨の形状まで残っています。」
見て見ると鹿の骨がきれいな形状で残っている。何かの病気で体が弱かったのだろうか。しかし、このような丸々の形状で骨が残っていることはかなり珍しいのだ。一般的に死んでしまった動物は他の動物の餌となるから。

鹿の骨

山の中ではこのような状況に出会うことはあまりない。その時の自分の気持を思い出そうと思い書いているが思い出せない。この死体を見た時自分は何を思っていたのだろうか。自然の残酷さ、過酷さを考えていたのかもしれないが。

少し休憩して東南アジア系の方と一緒に歩くことにした。坊がつるまでは後、1時間ほどで到着するだろう。
東南アジア系の方「そういえば名前をまだ聞いていませんでしたね。お名前を教えていただいてもよろしいですか?」
小島「小島です。兵庫県からきました。あなたは?」
東南アジア系の方「Sです。よろしく!」
小島「Sさんですね。分かりました。」
Sさんと色々なことを話しながら森を歩く。
S「くじゅう連山は初めてですか?」
小島「いえ、これまで何回か着たことがあるのですが長者原から登るのは今日が初めてです。」
S「そうなんですか。自分も久しぶりに長者原から登っています。」

普段は東京でお仕事をされているそうで去年までオンラインでの仕事であったことから別府で仕事をされていたそう。パソコンがあればどこでも仕事ができるらしい。来年度4月からオンラインでの業務がなくなり通常通りの勤務が始まることから九州に滞在できる期間もあと少しということでくじゅ連山へ登りに来られているらしい。

Sさん「くじゅう良いですよね。」
小島「分かります。自分は関西に住んでいるのですが九州の山に憧れている関西のハイカーはとても多いですよ」
Sさん「そうなんですか。ちなみに他の九州の山も登られたんですか?」
小島「はい、3年前から九州にはちょくちょく着ていて、鹿児島の霧島連山である韓国岳、高千穂峰や開聞岳。くじゅう連山では星生山や、今年の夏には中岳と天狗ヶ城、久住山にも登頂しています。しかし雨男なのかこれまで山々の稜線までを見渡せたことがありません。毎回ガスっていて山頂につく頃には雨かあられが降っていることがほとんどなんです。」
Sさん「そうなんですか。それは残念でしたね。でも今日は最高のコンディション。夜は寒いかもしれませんが最高の星空を眺めることができると思いますよ(小島が三脚をかついできていたので星空を取ると察したよう)。私はまだ霧島連山へ登っていないのでいつか登りに行きたいです。」

他にもSさんとは色々なことを話していたがここで少し割合。

登山道はピークを過ぎたからかなだらかな降り道となっている。しかし、朝方の雪が溶け始め地面の土がジュルジュルしている。これはこけると最悪の状況になるのは明白だ。ドロドロになることを避けることはできないだろう。

そのような会話をしていると坊がつるまで後少しという看板が見えてきた。

坊がつるまでもう少し!

小島「坊がつるまで後少しですね。頑張りましょう。もうひと踏ん張りです。」

どんどんと山道を下る。

坊がつるへ無事到着

空の明るさが少し増した気がする。いきなり開けた場所に出たのだ。木々の中を歩いてきていたのでいきなり明るくなって少し驚く。どうやら坊がつるへ到着したようだ。
小島「やっと坊がつるへ着いたようですね。お疲れさまでした。」
Sさん「お疲れさまでした。歩き始めてから2時間30分。道がぬかるんでいたので少し到着が遅れてしまいましたがこんなもんでしょう。」

やっと夢の坊がつるへ到着したようだ。とても静かで風の音と鳥の声だけが響いている。

坊がつる到着!

坊がつる全体がキャンプ場ではなく坊がつるの指定されている場所でのみキャンプをすることができるのだ。
坊がつる野営キャンプ場という大きな看板が見えた。ここだここだ。ここにテントを張るのだろう。そうこうして2人で歩いていると今から帰るというハイカーとすれ違う。
2人声を揃えて挨拶「こんにちわ。いい天気ですね」
今から下山されるハイカー「こんにちわ。長者原から登ってこられたのですね。登山道どのようなかんじでしたか?」

ここで各自登山道についてや近くの山の状況について情報交換をした。聞いたところによると昨日は雪が降りそれほど寒くはなかったそう。
今から下山される方に「お気をつけて」と言い伝えて自分も早速テントを張ることに。
さてと、テントを何処にはろうか。色々と考えた結果。誰かがテントを張ったのであろう場所を見つけた。誰かがテントを設営した跡地というのは意外と正解で何も問題なく過ごせたはずなのだ。よし、ここにしようとテントを広げる。

坊がつるにてテントを張る

Sさんはテントを設営する前にご家族にテレビ電話をされていた。
Sさん「やっと坊がつるへ着いたよ。明日何処かの山に登って下山するから。それじゃあ」とご家族に伝えて電話を切られた。
自分はその間にテントを設営し終えた。今テントの中に入り寝袋などをテントにきれいに敷く。念の為シュラフカバーとインナーを持ってきていたのでそれもシュラフの横に置いておく。
4月でそれほど暑くないと思っていたのだが今は昼の12時。テントが真上から照らしテントの中はかなり熱い。夏は地獄だろうなと思いながらテントの中を整理する。すぐに暗くなるはずなのでヘッドライトなども設置しておいた。これで準備は完了。後は水の確保だな。
水を確保するために近くにある野営炊事場に行く。坊がつるは水源が豊富で1年中水に困ることはないのだ。
ふと自分のズボンと靴を上から見落とすと泥だらけだ。なるほど。かなりじゅるい山道を歩いてきたのでどこかで泥水がはねてズボンについたのだろう。洗い流そうか。ズボンと靴を炊事場の水道で洗い流す。中々きれいに落ちないのだがまぁ仕方がない。

しばらくあたりを散策する。近くにある避難小屋へ行ってみる。立派な建物だ。よし、ここで昼ごはんにしようか。と思い立ちリュックからバーナーを取り出す。
山の上で気圧が高いのでお湯もすぐに沸騰した。今日の昼ごはんはたらこパスタにシーチキンとビーンズの缶詰を乗っけたものだ。缶詰をここまで持ってくるのはかなり大変だった。山の上でシーチキンや豆が食べれるというのはかなりの贅沢なのだ。くじゅうの山々を眺めながらの昼食は最高だ。本当にここまでたどり着けたことに感動だ。

昼食のスパゲッティ

パスタを食べた後の鍋が油でギトギトなのでその鍋に水を入れてお湯を沸かし、油をきれいに落とす。別に用意したコップに粉末の野菜スープのもとを入れてお湯を注いで飲む。あーー落ち着く。温かいもの最高だぁ。

山の中では基本的にはゴミを捨てることができないので自分は脂っこいものを食べた後に何度かその鍋でお湯を沸かすのだ。野菜スープを飲み干して再度その鍋に水を注ぎ、さらにお湯を沸かす。かなり油分も取れてきた。最後に沸かしたお湯を野菜スープを飲んだコップに今度はカフェオレの粉末パウダーを入れておいたのでお湯を注いで飲む。
カフェオレがかなり熱かったので少し冷ます。その間に鍋をきれいにキッチンペーパで拭く。このようにすれば油ギトギトのゴミを出すことを控えることができるのだ。

味噌汁に見えるけどもカフェオレです。虎屋の羊羹と一緒に

カフェオレのお供に虎屋の羊羹を持ってきていたので食べる。個人的にはブラックコーヒーと飲みたいところだが登山中ということもあり糖分を多めに摂っておく必要があるためこのようにしている。

物資を運んでいるのだろうか。何度も往復している。

そういえばスマホから通知がこない。スマホを見てみると携帯は圏外になったり、かすかに3Gが入るかのギリギリの状態だ。大学の友人からなにかLINEが届いたようだが回線速度が遅く読み込むことができない。何の連絡か分からなかったので一応携帯電話をしてみることに。(IP電話ではない)なんとか電話の呼び出し音がなり始める。おぉすごいなこんなところにいながらも電話が入るとは。10コール後ほどに友人が電話にでる。

小島「よぉーお疲れさんです。今くじゅう連山の坊がつるについたとこ。LINEが読み込めないんだけどなんか合ったのかい?」
大学の友人「ああ、いま山の中にいるのね。いや、この前言っていた論文の著者がしているYou Tubeがあったのでそのリンクを送っただけやで。山登り、気をつけて楽しんで!」
小島「おーありがとう。それじゃあ!」

電話を切る。あ、良いことを閃いた。再度大学の友人に電話をかける

小島「あぁ、ごめん。大切なことを良い忘れてた。メモのご準備を」
大学の友人「え、あぁ分かった。(メモ用紙を探す)はい、どうぞ。どうかしたかい?」
小島「一語一句逃さずにメモれよ。重要なことを言うから」
大学の友人「あいよ。」
小島「”九州”を”9周”して美しさを”吸収”する非常に”良好”な”旅行”」
大学の友人「あ?」
小島「いやーLINEを受信できないのに電話できることに感動してだなぁ」
大学の友人「しばくぞ」
小島「まぁとりあえずメモっといてくれ。それじゃあまた連絡するわ。」
非常に重要な用件を伝えたのでこちらからさっさと電話を切る。

とまぁ相手にとっては若干迷惑かもしれない電話をした。

法華院温泉山荘へ

昼食も食べ終えたので荷物を置いて温泉へ。山の中にも関わらず温泉があることがとても有り難い。坊がつるから徒歩10分程の場所にある法華院温泉山荘へ。

法華院温泉山荘

坊がつるにある山小屋で宿泊したり食事をしたりすることもできる。緩やかな傾斜を歩き法華院温泉へ到着した。受付に行くが誰も人がいない。時間は15時頃。この時間は夕飯の準備で山小屋の人は忙しいだろうなと思いながら少し大きな声で「すみませーん」と呼ぶ。すると奥から山小屋の方が出てこられた。
この山荘ではmont-bellのカードを提示することで入浴料が割引される。受付の人にお金を渡し、(250円だったかな)早速温泉へ入る。ちなみにこんな山の僻地に温泉があることが本当にありがたい。ただ、普通の温泉と異なることはシャンプや石鹸が使えないことだ。石鹸を使用すれば下水処理設備が必要である。ここは山の中であることから下水処理装置がないので石鹸などを使用することは禁じられている。環境に配慮されているのだ。山の中で温泉に入れることだけでも贅沢なので文句を言うことはできない。こんな場所まで山小屋を建てるために必要な物資を運んでくることがどれほど大変なことかは歩いてきた身なのでよく分かっているつもりだ。
浴場は誰もいず、一人で温泉を独り占め状態。体をタオルで石鹸をつけずに洗い、早速湯船に浸かる。露天風呂ではないがガラス張りの窓が設置されていることから湯船から大船山と坊がつるを眺めることができる。「あーやっとここまできたんだ。本当にこの坊がつるという地へ来ることができたんだ」と改めて実感する。
なんともいえない疲労が抜けていく感覚がとても心地よい。あーー気持ちいい。足の疲れた筋肉がほぐれる感覚。
今回のくじゅう連山行きでは山登りをすることは予定しておらず湿原を巡り下山する予定だ。明日は何をしようか。とのんびり温泉に浸かりながら考える。

1時間ほど温泉浴場でのんびりして温泉を出る。再度受付へ行き、 山小屋だんごを注文する。

ここ法華院温泉山荘の一番の名物が山小屋だんごなのだ。

小豆と芋味がありどちらにするかかなり悩んだ挙げ句、小豆を選んだ。注文後にだんごをあつあつに温めてくれる。ちなみにおだんご1個250円だ。これを高いと考えるか安いと考えるか、適切な価格と考えるかは人それぞれ。だんごがラップで包んであるのだが書かれている文字が可愛らしい。

ちなみにこの山荘ではカレーや牛丼も販売している。その他にはフリーズドライのお米や、インスタント食品、お菓子など。ちなみに自動販売機も設置してあるが平地よりも当然高い設定だった。自分はお酒を飲む習慣がないのでわからないがお酒の自動販売機も平地よりも少し高いが山の中として考えれば破格の低価格らしい(談話室にいたおじさんの話によると)
山小屋だんごを受け取り、そばにある自動販売機でジュースを購入して談話室へ向かう。基本的には山小屋で宿泊する人以外は温泉以外の建物に入ることはできないのだが談話室へのみは入室することが可能なのだ。談話室の一番景色が良さそうなところに腰掛ける。窓からはくじゅうの山々が目に入る。16時でそろそろ太陽が傾き始めたのか山々の影が目に入ってくる。
山々を見ながらだんごを頬張る。熱々で美味しい。柔らかめの食感で甘さ控えめで、どこか懐かしいお味だ。その後にジュース(いやー。コーヒー以外のものを久しぶりに自販機で買いました)を飲んでのんびりと落ち着く。

山小屋だんご あずき味

そうこうしていると久住山へ登られた方が談話室に入ってこれらた。挨拶をする。

小島「こんにちは。お疲れさまです。」(大学でもどこでもこの挨拶がやはり万能だな。と思いながら)
久住山から降りてこられた方「こんにちは。お、だんご良いですね。芋味ですか?それとも小豆? いつもどっちにしようか迷うんです笑」
小島「自分は小豆を注文しました。とても美味しいですよ。」
久住山から降りてこられた方「小豆ですか。良いですね。それじゃあ今回は私も小豆にしましょうかね笑」

と、他愛もない会話をする。続々とたくさんの方が下山してこられ談話室が盛り上がってきた。

山小屋でのんびりと談話室にいると色々な人とお話をすることができるが楽しい。また、近辺の山の状況や下山後に行くべき観光地や食事処を教えていただける。
自分も今日どこから入山しどの経路で歩いてきたかを皆さんにお話する。登山道がじゅるく歩きにくかったなど。

談話室からの様子

談話室での会話を終えて坊がつるテント場へ戻る。

陽がかなり傾いてきて少し肌寒くなってきた。

陽が傾き始める

今晩はよく冷えるだろうな。

特にすることがないのでテントの中でシュラフにうずくまり登山地図を広げる。明日の帰る道順などを確認しておくのだ。
それでも時間があるので本を読んだり、持ってきていたiPadで映画を見たりする。

テントの中で地図を広げる

明日は大船山へ朝駆け登山することに

夕飯には少し早いのでコーヒーを淹れることにする。炊事場に向かうと、Sさんともう一人女性が仲良くお話をされているのでその会話に加わる。
話してみるとその女性の方の名前はIさんというらしい。宮崎の方にお住まいでこれまで何十回とくじゅうに来られたことがあるらしい。うらやましい。
普段は、法華院温泉で宿泊をされているそうで、今日はじめてテントを担いで登ってこられテント泊をされるそうだ。

会話をしている中で明日の朝一緒に朝駆けをしようということになった。(ラッキー)

朝駆け:九州では一般的な登り方の一種。夜中に登って朝日見て早いうちに下山するということ。山頂まで2時間以内に登れる山が多いこと。本州よりも日の出が40分ほど遅いこと、車社会なこと、九州には熊がいないことなどが理由。

google先生より

そのような約束事をして一旦その場は解散した。小島だけ炊事場に残りお湯を沸かしてコーヒーを飲み始める。コーヒーを啜りながら横目で明日登ることになった大船山を見る。大船山ってたしかくじゅう連山に3番目ほどに高い山だったけ?明日が楽しみになる。

空のグラデーションがとても美しい

太陽が完全に隠れたようだ。空の夕焼けのグラデーションがとても美しい。鳥の鳴き声も落ち着き、坊がつるが静まり返る。長く、寒い夜が始まろうとしている。
コーヒーを飲み干し空を眺めていると炊事場に親子連れのお母さんと娘さんがこられた。挨拶をして世間話をする。広島からくじゅう連山を登りにこられたらしい。


Sさんは、今から山荘へ行き温泉に入ってくるとのこと。
自分もコーヒーを飲み干してすぐだがのんびり人と話していたからか夕飯の食べる時間になったので続けて夕飯を作る。夕飯は今日の昼と同様のパスタinシーチキン&ビーンズ缶と野菜スープだ。

夕飯を食べ、鍋をお湯で洗って片付けてテントへ戻る。時間は19時。「明日も早いのでそろそろ寝ることにしようか」とシュラフにうずくまり目をつぶる。

満天の星空 静かな夜

22時頃に一旦目が覚める。とんでもなく寒い。テントの中に置いていたペットボトルの水表面が凍っている。吐く息も白い。お手洗いにでも行こうかとテントを出る。テントから出ると満点の星空が広がっていた。思わず声が出る。「すごい、すごい。本当に”満天”の100点 “満点”(点数が)の星空だ」自分で言っていて寒くなるが本当に無数の星が輝いている。写真を撮ろうとテントから三脚を取り出してカメラをセットする。久住山側を入れて、大船山を入れて、様々な角度で星空を撮影する。

満点の星空
満点の星空と自分のテント

自分が起きたことに気がついたのかSさんもテントから出て近づいて来られた。
Sさん「素晴らしい星空ですね。写真撮れそうですか?」
小島「寒いですね。バッチリ撮れています。」(写真を見せながら)
Sさん「それにしても寒いですよね。眠れそうですか?」
小島「防寒具を何枚か持ってきているので眠れそうです。Sさん大丈夫ですか?」
Sさん「自分もなんとか眠れそうです。明日の朝最高でしょうね。」
小島「そうですね! 楽しみです。おやすみなさい」

カメラを片付けてお手洗いへ行き、防寒具を何枚か着込んで再びシュラフへ潜り込む。23時だったかな?就寝